小石川の集合住宅
東京都文京区, 日本
- 建築家
- エイバンバ
- 場所
- 東京都文京区, 日本
- 年
- 2016
東京都文京区小石川、千川通に面した間口約5mの敷地に建つ集合住宅である。もともと同じような間口の低層建物が立ち並ぶ商店街だったのが、徐々に大規模マンションに立ち替わっていっている地域の中で、取り残されたように、長い間空き地だった小さな敷地である。
そうした敷地に、法規制の最大高さの建物を計画したことで生まれた、細長いプロポーションのファサードを、スケールの大きな格子窓のようにとらえ、周辺建物とともにストリードファサードを構成しながらも、奥行きを感じられる彫の深い表情を目指した。
1階は集合住宅のエントランスホールを敷地の一番奥に配置し、道路側には吊構造の階段を2階の店舗への専用階段として設けている。この階段と吹き抜けが、日中アーケードによって暗くなってしまいがちなエントランスに光を導くようにしている。
3階から9階は各階1住戸の集合住宅としている。約13mの住戸内の奥行きを活かすために敷地奥側に設けられた玄関から、道路側のテラスまでが見通せる廊下状のスペースを設けている。収納やキッチンは部屋内に設けず、この廊下に面して設けることで、各部屋の機能が入居者によって自由に設定でき、またキッチンを中心に各部屋をつなぐ回遊性の高い動線計画とすることで、多様な使い方ができるようにしている。
構造計画:引き抜きへの対応として、杭と併用して、ほぼ地下1層分の地中梁に囲まれた空間にバラストを充填したカウンターウエイトを設けている。また上部躯体は軽量化のために、RCラーメン構造のフレームにPCパネルをはめ込んでいる。
設備計画:一般的なマンションに見られる、室外機や給湯器に占領されて実際には使うことのできないテラスではなく、植栽を置いたりベランダ菜園をしたり、リビングと一体的に、きちんと使ってもらうことのできるテラスを目指した。そのため、あまり使われることのない、敷地奥の屋外避難階段の周辺に室外機、給湯器といった機器、PS、EPSを集約している。また屋外避難階段が、メンテナンス時の縦動線としても使うことができるようにしている。
意匠:abanba
構造:ASD
設備:株式会社設備計画
施工:株式会社栄港建設
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