小金井の住宅

東京, 日本
写真 © Future-scape Architects
写真 © Tomoyasu Yamashita
写真 © Tomoyasu Yamashita
写真 © Future-scape Architects
写真 © Future-scape Architects
写真 © Future-scape Architects
図面 © Future-scape Architects
建築家
石井大五+フューチャースケープ 建築設計事務所
場所
東京, 日本
2004
Photographs
Tomoyasu Yamashita | Future-scape Architects

小学校の桜並木に面して立つ住宅。桜とここに住む家族の距離感を近づけ、環境と生活が一体に結び付いた家をつくろうとした。

室内は、地階、1階、2階のそれぞれの階から桜が見える。その風景を魅力的に見せるために、桜を見る4つのシーンをデザインした。

Scene-1:玄関を入った廊下を進むと、大窓一杯に桜が映る。内外の仕上を揃え、連続させたこともあり、室内から見るというよりは、屋外の並木道を歩くような近接した距離感の桜である。

Scene-2:地階に下りると、桜を下から見上げる形になる。梢の濃い緑が、より高く、より重量感を持って覆い被さるように迫って来る。

Scene-3:廊下より半階上がった場所は、家族の個室となる。間仕切の上部が水平の開口部になっている。全開すると、家の東西方向の長さ一杯に、緑の帯が現れる。巻物のように、梢が細長く切り取られる。揺れる葉の様子や光の微妙な濃淡など、部分が強調され、桜の気配に鋭敏にさせる。

Scene-4:2階は、梢の高さである。南北とも、天井一杯の大きな窓を取った。1階同様、室内とテラスの仕上を連続させ、内外の感覚を曖昧にした。その効果や、両側に視線が抜け、風が抜けることで、北側の桜から、居間を経て、南の空までが一体に屋外的になり、梢の中に浮かぶような効果が生まれた。

地下、地上、空中という高さによる視点の違い、開口部の切り方による全体から部分に到る見える範囲の違い、その組み合わせがに加えて、各階の仕上を違えている。階毎に、床、壁、天井とも同種の材料でくるみ込もうとした。地階はコンクリート打放し、1階は板貼り、2階は白に仕上げている。テラスなどの半屋外部分を室内と同種材料で連続させ、層の違いをはっきりさせた。地階から2階へ階段を上ると、層の切り替わりが、高さ方向の重なりを視覚化する。水平方向に加えて、高さ方向の広がりを意識させること、それは、地下から空中に到る、桜を感じ取るための高さの違いを、より明確にすることともなる。

https://www.future-scape.co.jp/g200303works/g200303worksimage/g2003e15houseinkoganei/g2003e15houseinkoganei.html

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