横浜BUNTAI
視点の移動に伴ってパターンの濃淡が変化し、風になびく帆をファサード上に表現しました。
Video © 奥村浩司 (Forward Stroke Inc.)
風になびく帆のファサード
1963年から58年のあいだ「文体」の愛称で親しまれてきた横浜文化体育館は老朽化に伴い惜しまれつつ閉館し、2024年「横浜BUNTAI」として生まれ変わりました。大らかな曲線を描く大きな白いファサードが特徴の新しい建築は、横浜の港に浮かぶ帆船をモチーフにしたものです。そのファサードを構成するパネルのデザインと、建物まわりのランドスケープを担当しました。
ファサードはデザインモチーフの「帆」をどのように表現するかが大きな課題でした。風を受けてゆらぐ帆の表情を建築的なスケールで表現するため、パネルそのものは通常のパンチングメタルとしながら、パネル背後の壁面にドットグラフィックを施し、モアレ現象によって濃淡を生み出すことを提案しました。壁面に描かれたこのドットグラフィックは、物理シミュレーションにより作成した「風になびく帆」の3Dモデルに基づいて全ての位置を微調整しており、モアレにより風にゆらぐ帆のような表情を生み出します。さらに、視点の移動に伴ってパターンの濃淡が変化し、風になびく帆をファサード上に表現しました。
建物まわりのランドスケープは、建築を際立たせるようハードな舗装を主体とした極力シンプルな構成としながら、旧横浜文化体育館で行われた主な興行の年表を、アプローチに沿った床面に施しました。これからBUNTAIで行われる興行に訪れる方々のあいだで「あの時こんなことがあったのか」「このコンサートに行ったことがある」といった、世代を超えた会話が生まれることを願っています。
- 年
- 2024
- クライエント
- Yokohama City
- 建築設計
- 梓設計・アーキボックス・大成建設設計共同企業体
- 照明デザイン
- LIGHTDESIGN












